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ICANN理事会 vs 政府諮問委員会 – 商標権者および地方自治体に朗報!?

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ICANN理事会と政府諮問委員会による会合が、2月29日〜3月2日までの3日間に渡りベルギーのブリュッセルで開催され、新gTLDプログラム導入について各国政府代表者から構成されている諮問委員会が行った提案に対して、集中的に協議されました。

同会合は、本来3月1日までの2日間での終了を予定していましたが、議論が長引いたため半日間延長されて行われました。

会合にて議論された内容は、主に以下となります。


1.レジストリ/レジストラ分離


2.知的財産権

商標データベース(Trademark Clearinghouse)の範囲拡大

サンライズ期間とIPクレームサービス両方の採用

商標に関連づく名称についての権利

登録商標の適格基準

失効済み商標の取扱い

侵害の可能性があるドメイン名についての登録時通知

商標データベースの継続利用

商標データベース利用料の支払い

URSについて

  • URS適合の簡素化
  • 審査官の選任
  • 適切な審査方法
  • 原告の敗訴
  • 証拠の基準
  • 悪意の基準
  • 敗者による費用負担
  • 抗弁
  • 申立費用
  • URS判決に基づくドメイン名の移転
  • URSの期間延長


3.レジストリ委任後の紛争解決プロセス

複数のドメイン名移転

適切な審査方法

類似する商品やサービス

レジストリの過失・怠慢

申立の通知

不法行為


4.消費者保護

連絡先

レジストリ委任後の紛争

法的拘束力のある判決


5.地理的名称

政府に対する申立費用の免除

地理的名称の定義

認定名称の除外

早期勧告システム

支持文書発行機関の認定

複数申請

法的手段


6.発展途上国に対する補助

言語の多様性確保

技術および物流サポート

新gTLDプログラムの広報

発展途上国政府による申請


7.法律執行

刑事上の有罪判決

ハイセキュリティ

現地機関による調査

素性調査(犯罪歴の追加)

適切なWhois情報の表示


今回の会議で最終的な結論は出ず、議論の場は、3月中旬に開催されるICANNサンフランシスコ会議に持ち越されることになりましたが、理事会の基本的な意向の中に、商標保護および地理的名称に関する興味深い内容がありました。

商標侵害が認められるドメイン名の不正利用の申立について、紛争解決としてこれまでUDRP(Uniform Domain-Name Dispute-Resolution Policy)が採用されてきましたが、新gTLDの導入に際して、別途URS(Uniform Rapid Suspension System)という簡易紛争解決方法の導入が予定されています。

今回、政府諮問委員会は、このURSについて更なる申立手続きの簡素化を求めていました。

結果、ICANN理事会は、申立書類について可能な限りテンプレート化し、文字数の上限を5000字から500字に削減することを目指すことを表明しました。

また、これまでURSではドメイン名の停止措置のみが行われ、更に移管を求める場合は、追加でUDRPの手続きを行うことが求められていましたが、ドメイン名の停止のみではなく、最終的には移管まで行える方向で調整される事になりました。

この事により、今後ドメイン名紛争解決のプロセスが簡素化し、専門業者を通さずともドメイン名の不正利用に対する対策が容易に行えるようになることが期待されます。


地理的名称については、ICANN会長のPeter Dengate Thrush氏による以下の言及がありました。


If there’s more than one application for a string representing a certain geographic name and the applications have the requisite government approval.

So where there’s multiple applicants or with the approval, the GAC says in this case in such circumstances it’s not appropriate for ICANN to determine the most relevant government entity.

So this is the situation where you might have a city council as the appropriate authority authorizing somebody to use the county name. And the city — the province name is the same and someone else has provincial authority. So the question is who determines.

The GAC’s position is ICANN shouldn’t be put in the position of determining whether the county trumps the province. And we agree.

So we’ll continue to suspend processing of applications. We don’t want to be seen to be making a judgment about that either. And so we’re accepting that.

What we do have to have is a process of resolving that. So we think we need to work with the GAC to allow that to go forward so that multiple applicants can go forward.


上記の発言によると、もし同一の地名に対し、異なる地方自治体がそれぞれ支持書を発行した場合、問題が解決されるまで審査は保留にされることになります。

国内の場合ですと、例えば大阪や新潟など都道府県と市の名称が同一の場合で、それぞれが別の申請団体に支持書を発行した場合などがこれに該当します。

ICANNは、この問題の解決方法については、政府諮問委員会と更なる協議をすることを示唆しました。

更に、Dengate Thrush氏は、支持書についての以下のコメントを述べました。


What we will do is the other side of that, which is when there are multiple applications all coming from the same authority, it could be — I think we’ve seen a couple of these already from some places, some authorities, maybe 5 or 6 applications, if people wanting the same city name and the city decides it’s going to authorize all of them and let the best applicant go forward.

We’re quite happy in that circumstance, because we’re not required to make a distinction between two authorities. So where there’s multiple applications from a genuine authority, we will process those, as you have said.


上記の発言で、ICANNは一つの自治体が複数の申請団体に支持書を発行することについて容認する考えを示しました。

例えば東京都が「.tokyo」のレジストリ運営事業を希望する複数の団体に対して支持書を発行した場合、ICANNは審査を保留せず、新gTLDプログラムの判断基準によって選定を行い、運営事業者を取り決めることになります。

仮に、自治体が自ら地名TLDの申請を行う意思がなく、申請を希望する団体について独自に選定を行うことが困難であると判断した場合は、複数の事業者に対して支持書を与え、ICANNの審査に任せるという選択肢が増えることになります。

上記以外にも、政府による申請者に対する異議申立について新しく制度を設け、費用を無料とする方向で議論が進んでおり、新gTLDプログラムにおける地理的名称の保護対策となる可能性があります。



只、今回の発言については正式に文書化されたものではなく、ICANNによる今後の動向が注目されます。
弊社では、今後もICANNおよびドメイン名関連の会合に参加し、皆様に最新の情報を提供させて頂きます。



新gTLD申請についての質問やご相談は、アーバンブレインにお問い合わせ下さい。



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